せいちゃんのブログ

雑記ブログとして日々の出来事、風潮、自己体験をもとに防犯や詐欺対策、リフォーム、年金問題、株投資などについての有益情報と考えたことをご紹介していきたい。

確定申告|会社員や年金者にも意外と多い所得税還付機会の確認を!(リニュアル)

1月になると確定申告のシーズン到来で、特に還付請求は直ぐできます! 

 

前年度の諸帳票も手元に集まりますので、1月中旬には確定申告に必要なデーターが手元に整います。

還付金請求は直ぐにでもでき、確定申告すれば早く還付金が貰えます。 

従って、早く還付金の有無を確認し、メリットがあれば確定申告で節税チャンスを生かしたいものです。 

 

確定申告義務がない会社員や年金所得者も、確定申告すれば節税できるものが沢山あります。

株式取引や特に年金者の生命保険料控除など多々対象があります。 

 

その際、役立つのがe-Taxです。

利用するにはマイナンバーカード入手等の事前準備が必要です。

 

 

 

 

    

会社員・年金所得者にも意外とある所得税の還付機会

1.会社員や年金所得者には確定申告義務はない

給与及び年金所得者は、会社や年金機構が税納入代行するので基本的には確定申告義務はありません。

但し、給よ所得者が、「個人事業主」であったり、「会社員でも2000万円以上の年収があったり、2箇所以上から給与を受けている方」、「株取引を一般口座で行っている方や、特定口座でも源泉徴収を選択していない方」などは必ず確定申告しなければなりません。

 

2.但し、給与・年金所得者も税還付の機会は多くある

 

所得税や住民税には、所得控除(税金を課さない金額)や税額控除の対象となる控除項目があります。 

 

医療費や社会保険料、生命保険料、扶養配偶者や扶養家族数、株などの損失、災害による損害などがあり、各世帯の状況に対応した税負担の軽減措置が設けられています。(所得控除項目) 

 

控除金額が多ければ多いほど課税対象金額は小さくなり税金を軽減できます。

 

 従って、これらの各種控除項目の状況によっては確定申告すると、収めた所得税や住民税の一部又は全部が還付されるばかりでなく翌年度の住民税負担等が軽くなる場合が多々あります。

 

3.確定申告で還付が受けられる主なケース

1)給与所得者の場合

毎年のことで言えば、主に、医療控除、ふるさと納税、株式の損益通算などに着目した還付申告の機会があります。 これらの思い当たる場合は、確定申告を検討されることをおすすめします。

 

国税庁) 給与所得者は、次のような場合には、原則として還付申告をすることができます
 

 

2)年金所得者の場合

毎年のことで言えば、主に、医療控除、生命保険・医療保険地震保険、災害や盗難などの損失、ふるさと納税、株式の損益通算などに着目した還付申告の機会があります。 
 
特に、会社員と違って生命保険・医療保険地震保険等の控除の申告機会がないため、これらを含めて確定申告すると還付が受けられることが多くあります。 
 
これらの思い当たる場合は、確定申告を検討されることをおすすめします。
 
年金所得者も次のような場合に還付申告できます。
(1) 災害や盗難などで資産に損害を受けたとき
(2) 多額の医療費を支出したとき
(3) 特定の寄附をしたとき
(4) 上場株式等に係る譲渡損失の金額を申告分離課税を選択した上場株式等に係る配当所得等の金額から控除したとき

4.e-taxを使えば、還付金の有無確認や有利な選択の試算ができる

e-Tax」の魅力は、「税務署に行かなくてもいい」、「土日や深夜でも申告できる」、「添付書類を省略できる」などのメリットがありますが、何といっても、「国税電子申告・納税システム」を利用して、還付金が得られるかどうかの確認が簡単にできることが一番のメリットです! 

 

特に、株式運用者にとって、節税方法には、総合課税方式と分離課税方式の選択によって節税額は異なり、住民税への影響も気になります。

 

従って、両方とも試算して有利な方を選ぶ必要がある場合があります。

 

こういった場合にも、簡単に、e-taxで試算確認ができ、有利な選択をするのに役立ちます。 

 

また、身近でパソコンに向かって作業できるので、毎年手軽に確定申告に関心を持っていられることではないでしょうか?

 

最後に

確定申告義務がない給与及び年金所得者も確定申告すれば節税できる機会は沢山あります。 

 

仮に還付金を受ける可能性が無かったとしても確定申告作業を通じて節税ポイントなどが見えてくると思います。 

 

e-Taxを利用すれば簡単に還付金の有無確認でき、また申告も税務署に出向かずに手軽にできます。 

 

是非、年1度、この時期には、確定申告義務はなくても、還付金の有無を確認し、節税のための工夫を考えて見られることをおすすめします。

 

ーーーーーーーーー 完 ーーーーーーーーーーー
 
 

確定申告に使えるICカードリーダーの選び方

e-taxで確定申告をする際、マイナンバーカードで認証を受ける為には、マイナンバーカードに対応しているICカードリーダーであることが第一条件です。 

マイナンバーカード対応製品リストは、「公的個人認証サービス」のポータルサイトで確認できます。 次に、パソコン等に対応したCカードリーダーでなければなりません。 そのためには、下記のような事項にも注意が必要です。

①対応するOSの種類に注意
2019年に、e-Taxが、macOSにも対応しましたが、Windowsモデルが圧倒的なので注意が必要です。
 
②「接触型」と「非接触型」の2種類があることに注意
 
➂USB接続とBluetooth接続の2種類の接続方式がある
また、USB接続は、「Type-A」と「Type-C」があります。
 

おすすめカードリーダー

 

関連記事

株取引の確定申告|株運用の節税には「住民税の申告不要」の理解も重要(リニュアル)

株取引の節税目的で確定申告する場合は、住民税「不要申告」の理解が重要! 

 

以前は、株取引について節税目的で確定申告をすると、自動的に確定申告での課税方式が住民税にも適用され住民税の負担増を招くことが多くありましたが、2016年の税制改正で、住民税において「申告不要」の手続きすれば、確定申告とは異なる課税方式の選択ができるようになりました。 

 

株式運用の節税目的で確定申告する場合は、住民税の「申告不要」に留意されることをおすすめします。

 

 

 

住民税の課税方式は、原則、確定申告と同一に注意

市区町村での住民税の算定は、基本的には、税務署から送られてくる確定申告データーに基づいて作成されます。 

 

従って、確定申告で、株取引の節税のために「総合課税方式」を選択すれば、住民税も同じ課税方式に基づいた基礎データーにより住民税を算定します。

 

株取引の譲渡及び配当所得に対する所得税と住民税の捉え方に差があることに注意!

所得税と住民税では、株式運用による譲渡所得や配当所得に対する考え方に大きな差があります。 

 

住民税では、地域負担に応分の負担をという主旨から、配当控除や、過去の繰越損による本年度の利益圧縮には否定的で税負担の軽減という配慮は乏しいものになっています。 

 

従って、確定申告で、折角、一番良い節税方法を選んだにもかかわらず、住民税ではかえって負担が増大してしまうというケースが生じます。

 

「申告不要制度」により住民税では確定申告とは異なる課税方式選択が可能に

折角、株取引に伴う節税目的で確定申告しても、住民税でかえって、負担が重くなり確定申告がしづらい面がありました。 

 

このため、2016年の税制改正で、住民税で「申告不要」が行えるようになり、確定申告とは異なる課税方式を選択できるようになりました。 

 

これにより、確定申告では最も有利な節税方法が選択できるようになりました。 (しかし、残念ながら、令和4年初めに岸田政権で、この制度の廃止が検討されることになりました) 

 

従って、株取引の節税目的で確定申告する場合は、この「申告不要制度」の活用に留意が必要です。

 

住民税での「申告不要制度」は事前に届け出が必要!

確定申告とは異なる課税方式を選択すためには、「確定申告前」に、「住民税申告書」を市区町村へ提出し「申告不要」の旨を伝える必要があります。 

 

詳細は、お近くの市区町村窓口にお問い合わせください。

 

異なる課税方式選択でメリットが出るケース

株取引による譲渡所得や配当所得等の申告において、異なる課税方式を選択することによりメリットが考えられるケースは主に次の2つが上げられます。
(「特定口座を持ち源泉徴収あり」を想定)

①配当控除を受ける為、所得税で総合課税を選択した場合、住民税は申告不要制度(または申告分離課税)」を選択する

税額控除の適用を受ける「配当控除」は、所得税では、配当所得の10%ですが、住民税では、配当所得の2.8%しか受けられません。

 

そもそも、配当を受け取った時は、所得税が15%、住民税が5%の税金を徴収されています。 

 

確定申告で「総合課税」を選択し「配当控除」を受けて税軽減をはかる場合、確定申告を提出したままだと、住民税では、給与所得等に配当所得が加算され住民税が高くなる可能性があります。 

 

従って、この場合、住民税で「申告不要」をとれば、住民税では配当の影響を排除できることになります。

 

②譲渡所得の節税目的で確定申告で申告分離課税を選択した場合に、住民税は「申告不要制度」を選択する

損益通算や損を繰り越したい場合、「分離課税方式」で確定申告をしますが、そのままにすれば、住民税でも「分離課税方式」により税還付を受けられる場合がありますが、翌年の住民税算定に譲渡所得(損益通算や繰越損との相殺で益が残った部分)が参入され負担増になる可能性があります。 

 

特に、介護保険などでは、繰越損による今年度渡所得の利益圧縮が認められず保険料の算定基礎に含められて負担増を招くことになります。 

 

従って、確定申告で分離課税、特に過去の繰越損を活用する場合は、住民税で「申告不要(別申告)」の手続きをすることによって、これらの影響を排除することができます。 

 

但し、「申告不要(別申告)」の場合には、住民税の還付(源泉徴収された所得税を含む20%のうちの住民税相当の5%分)は受けられなくなります。 

 

従って、介護保険料の負担増よりも住民税での還付金が大きく見込める場合は、あえて住民税を不要申告する必要がない場合もあります

 

最後は、損得の大きさで選択するしかありません。

 

最後に

確定申告の際は、所得税の税軽減ばかりに囚われると住民税で思わぬ負担増に招きかねません。 

 

従って、e‐taxで確定申告での節税メリットの大きさを見極め、住民税へのはね返り等を比較して住民税の申告方法(異なる申告を申し出るか否か)を決める必要があります。 

 

必要な場合は、住民税申告書を活用し確定申告前に、市区町村に相談することをおすすめします。

 

ーーーーーーーーーーーー 完 ーーーーーーーーーーーーー
 

確定申告に使えるICカードリーダーの選び方

e-taxで確定申告をする際、マイナンバーカードで認証を受ける為には、マイナンバーカードに対応しているICカードリーダーであることが第一条件です。 

マイナンバーカード対応製品リストは、「公的個人認証サービス」のポータルサイトで確認できます。 次に、パソコン等に対応したCカードリーダーでなければなりません。 そのためには、下記のような事項にも注意が必要です。

①対応するOSの種類に注意
2019年に、e-Taxが、macOSにも対応しましたが、Windowsモデルが圧倒的なので注意が必要です。
 
②「接触型」と「非接触型」の2種類があることに注意
 
➂USB接続とBluetooth接続の2種類の接続方式がある
また、USB接続は、「Type-A」と「Type-C」があります。
 

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株式投資の確定申告|利益・配当にかかった高い税金を取戻す申告方法(リニュアル)

確定申告には株式運用にかかる高い税金を減らせる仕組みがあるので利用しないとのはもったいないですね! 

 

株式投資の利益や配当には、一律に20.315%所得税15.315%、住民税5%)もの高い金融税率が掛けられています。

 

確定申告には、総合課税方式か分離課税方式を選択することにより、運用状況に応じて、本来の運用成績や負担能力に見合った税負担が図れるよう損益通算や配当控除などの仕組みが用意されています。 

 

株式運用される方は、ぜひ確定申告を活用して節税を図っていただきたいと思います。 当記事が少しでもお役に立てば幸いです。  

 

 

 

 

Ⅰ.株式投資の高い税金を軽減できる確定申告の仕組

1.株式の売買や配当には約20%の高い税率がかけられている

株式等の取引で得た利益や配当には、運用者の所得や生活実態に関わらず一律に20.315%所得税15.315%、住民税5%)もの高い税率が掛けられています。

課税対象 所得税 住民税
上場株式の利益・配当 15.315%(0.315%は復興税  5% 20.315%

2.確定申告には、株取引で「赤字の場合」も「黒字の場合」も高い税金を節税できる仕組みが用意されている

確定申告では、売買で被った損失と利益や配当などと損益通算して税軽減ができる『分離課税方式』と、所得税率と「配当控除」の利用により所得水準に見合った税軽減ができる『総合課税方式』の選択により、株式運用の税軽減が図れる仕組みが用意されています。 

 

なお、以下では、全て「特定口座で源泉徴収選択」を前提とした取引を想定しています。 

一般口座でも基本的な考え方は変わらないと考えます。

1)「売買損が大きく配当を含めても赤字の場合」の確定申告の仕方

年間取引で大きな損となり、年間配当を差し引いても大きな赤字が残った場合は、次のような確定申告によって節税が図れます。 

 

①他の証券会社に持つ特定口座が利益又は配当で黒字となっている場合、分離課税の選択により損益通算で利益を圧縮し税金を節税することができる。 

 

②それでも損が残れば、その損を確定申告で「繰越控除」(損を繰越、将来の益と相殺できる)として登録をすれば、次年度以降の3年間、その繰越損が消えるまで、益又は配当所得と相殺して、税金を抑えることができる。

 

2)「売買で益となり配当を含めて黒字の場合」の確定申告の仕方

年間で、売買益と配当で大きな黒字となった場合 

 

①他の証券会社に持つ特定口座が配当含めて赤字となっている場合、分離課税の選択により損益通算で利益を圧縮し税金を節税することができる。 

 

②過去の繰越控除があれば、分離課税の選択により損益通算で黒字を圧縮し税金を節税することができる。 

 

➂損益通算できるものがない場合は、総合課税方式の選択により、所得税率と「配当控除」の利用による所得水準に見合った税負担に軽減するこよができる。

 

3.株式投資の節税機会は確定申告しないと消滅する!

株式投資の損益通算や繰越控除等は、その年度年度に確定申告しないと節税機会が消滅してしまいます。

 

 一般の個人投資家は、大抵の場合、証券会社に「特定口座」を設け源泉分離課税を選択されておられます。
この場合、株式運用に伴う取引や配当の履歴並びにそれに伴い納税業務一切を証券会社が代行してくれるので個人は基本的に確定申告の必要はありません。


このため、個人投資家の方、特に、確定申告の義務がないサラリーマンや年金生活者の方は、あまり確定申告をされていないのではないでしょうか? 

 

従って、大変もったいない話ですが、大勢の方が、大きな税軽減チャンスを放棄していることになっています。 

 

確定申告は、都度行わないと権利が消滅します。
是非、e-taxを利用して税軽減チャンスを逃さないよう留意されることをおすすめします!

 

4.所得税の確定申告による住民税への影響を考慮する必要があります!

所得税と住民税には、株取引の取り扱いに差があることに注意が必要 

 

株式等の利益や配当所得」の取り扱いは、所得税と住民税とでは若干当局の捉え方に差があり、確定申告すると住民税の負担増を招きかねない部分があります。 

 

住民税は、あくまで地域行政負担の応分の負担を求めるところがあり、特に、介護保険では、過去の繰越控除との相殺を認めないところがありますので注意が必要です。

 

これでは、節税の為の確定申告ができないため、平成29年度税制改正で、住民税では、「所得税と異なる課税方式」が選べることになりました。 

このため、住民税では、必要に応じて確定申告とは別の課税方式を選択する必要があります。(「申告不要制度」を市区町村住民税課に確定申告前に提出する) 

 

しかしながら、せっかくのこの制度も廃止に向けた見直しが検討されることになっています!(令和4年1月の政府の動き)

 

Ⅱ.総合課税方式と分離課税方式

以下では、株式の運用を、「特定口座」かつ「源泉徴収」を選択していることを前提とさせていただきます。
(「一般口座」でも、基本的考え方は変わらないと考えます)

1.「総合課税方式」と「分離課税方式」の違い

確定申告には、節税の仕組みとして、「総合課税方式」と「分離課税方式」の2通りの申告方法があり、実際の申告には、どちらか一方しか選択できません。

1)「総合課税方式」とは

株式取引ににかかる税金については、
「給与や年金所得が低いのに、株取引による利益や配当への20%課税は高すぎる。売買で得た利益に対する20%(住民税5%含む)はやむを得ないとしても、配当所得に課せられた20%税率(住民税5%含む)については総所得に見合った税率あるいは税額であってほしい」
と思われる方は多いのではないでしょうか? 

 

こういう願いに適うのが、「総合課税方式」です。 

 

配当所得を給与所得等に合算し総所得に見合い給与等に関わる所得税率(累進5~55%)を適用し、「配当控除」を税額控除するという仕組みです。 

 

※もともと配当は、企業が法人税を納めた後の原資であるため、配当で個人に取得税をかけるのは二重課税ともなっています。
このため、配当を所得として給与等に合算し、所得水準に見合う所得税率(累進課税)を適用する代わりに、「配当控除」により二重課税を避けるという主旨があります。
 

 

(1)「総額課税方式」とは、株式取引の損益には一切触れずに、「配当」を「給与等所得」と同等と見做し所得税率を適用し「配当控除」が受けられる仕組みなります。 

 

つまり、「年間の株取引で大きな利益がでた」、あるいは、「損益通算による還付金メリットよりも総額課税方式によるメリットの方が大きい」等の場合に利用できる仕組みが、「総合課税方式」です。 

 

(2)税額の計算は、下の算式のようになります。 

 

配当を「配当所得」として「給与等の所得」と合算した上で、社会保険料基礎控除等の「所得控除」を差し引いた金額(「課税所得」という)に、その「課税所得」水準に該当する「累進所得税」を乗じて「所得税額」(「確定前の所得税」という)を算出します。 

 

その「確定前の所得税」から「配当控除(配当の10.00%の金額)」が「税額控除」され実負担となる「確定所得税」が算定されます。

 

算式(イ→ロ)

イ. {(給与等の所得+配当所得)- 社会保険等の所得控除累進所得税  =確定前の所得税
ロ. 確定前の所得税 - 配当控除(配当金額の10%分)   =確定所得税

 

なお、総合課税方式のしくみや給与所得によるメリットの違い、具体的数字を使った事例等については後述します。   

 

(3)なお、確定申告で総合課税方式を選んだ場合、住民税への影響に留意する必要があります!住民税では「住民税申告不要制度」の検討が不可欠です! 

 

確定申告で総合課税を選択した場合、そのままだと住民税で不利益が生じます。 

 

住民税にも「配当控除制度」があり、住民税も「総合課税方式」が適用されると、配当の「0.28%」が「配当控除」となり、実際に配当受け取り時に納めた「5%」よりも低い控除しか受けられなくなる不利益が生じます。 

 

このため、この不利益を排除できるように、住民税には、「住民税申告不要制度」が認められる様になっています。(詳細は後述します)

 

2)「分離課税方式」とは

(1)「分離課税方式」とは、「給与等の所得」や「配当控除」とは一切関わりなく、株式取引での損益や配当収入に的を絞った申告で、「損益通算」や「繰越控除との相殺」などの利益圧縮で節税が図れる仕組みです。 

 

つまり、「年間の株取引の損益結果、配当を含めても大きなマイナス(赤字)だった」、あるいは、「総額課税方式によるメリットよりも、損益通算による節税メリットの方が大きい」等の場合、配当を含む損益に限定して損益通算の利益圧縮で節税できる仕組みが「分離課税方式」です。 

 

(2)申告は、「今年度の損益と配当収入の結果」に基づいて、次のような損益通算による利益圧縮効果を算出します。 

 

①「他の口座と損益通算して譲渡所得(含む配当所得)を下げる」
②「他の口座等で損益通算しても損が残る場合は、損を繰越して翌年以降の譲渡所得(含む配当所得)を下げる」
➂「過去の繰越損と相殺して本年の譲渡所得(含む配当所得)を下げる」 

 

なお、分離課税方式のしくみや取引状況によるメリットの違い、具体的数字を使った事例等については後述します。

 

3)「総合課税方式」と「分離課税方式」の対比表

以上をまとめて対比表にすると次のようになる。

  税軽減の方法 節税の仕組みと方式を選択する理由
総合課税方式 「累進所得税率」の適用と 「配当控除」による税額控除 株取引結果には一切触れず、配当を「給与等所得」に合算して所得税を算出した後、配当額の10.28%が「配当控除」として税額控除される。

選択理由:株取引で利益が出ていて、損益通算や繰越控除の必要がない場合、又は、所得税率と配当控除メリットの方が大きい場合
分離課税方式 「損益通算」による利益圧縮 ◯給与や年金その他の所得とは関わりなく、株取引で生じた損益による「損益通算」や「繰越控除等の相殺」等による利益圧縮で税が軽減される。

選択理由:配当控除メリットよりも損益通算メリットが大きい場合。

 

Ⅲ.株式取引の運用状況に対応した確定申告のしかた

1.課税方式選択は、どのようにして節税したいかでが決まる

どちらの課税方式を選ぶかは、本年度の運用結果や過去の繰越控除の有無等によって、「どうしたいか」の目的によって下表のように決まります。

 

目的(どうしたいか?) 選ぶ課税方式
・一部の口座で損失があるため、税金を払っている別の口座と損益通算して別の口座の所得(利益、配当)を減らして還付を受けたい! 分離課税
・利益(含む配当)を、過去の「繰越控除」で相殺して減らしたい! 分離課税
・損益通算しても損が残るので損を繰越し、次年度以降の利益相殺に使いたい! 分離課税
・どの口座にも損がなく、かつ過去の繰越控除もないので損益通算メリットが享受できない。この為、配当控除メリットを受けたい! 総合課税
・計算結果から、分離課税よりも総合課税メリットの方が大きい 総合課税
・計算結果から、配当控除よりも分離課税メリットの方が大きい 分離課税

※分離課税でのメリットとは、損益通算などで利益(所得)を減らしたことによる減税メリットのことです。

 

2.「総合課税方式」は、課税所得900万円以下にメリットあり

「総合課税方式」は、「配当」を「給与等所得」と同取り扱いとし、給与水準に見合った累進所得税率を適用するため、単純に言うと、5%の所得税率の人であれば、配当にかかった15%(他に住民税5%)が5%で済むことになります。

 

そこに、さらに「配当控除」(配当の10%)が税額控除メリットが付加され大きな節税につながります。 

 

従って、所得税率の低い人ほどメリットは高いものとなります。

 

1)「総合課税方式」の課税所得別のメリット表

では、実際に数字を使ってメリットを表してみます。 

 

表で使われている各用語の意味は次の通りです。 

 

・「課税所得」は、「給与等所得+配当所得
・「所得税」は、課税所得額(給与等所得+配当所得)に対応した累進課税
・「配当控除率」は、配当控除額の算定に用いられる率。1000万円までは10%、1800万円までは5%、1800万以上は0%を配当所得に乗じて配当控除額をだします。
・「実質負担率」は、所得税率が、配当控除率分で負担減になった実質負担率を表す
・「源泉徴収」は、配当で源泉徴収された税率を表す
・「軽減税率」は、配当控除により源泉徴収された税率がいくら軽くなるかを示す率! 

 

これらを、数式を使って、分解しますと、結局、配当には累進税率ー10%の税率でよいことになり、既に支払った15%の源泉徴収は、その分還付されることになります。

 

[課税所得別軽減税率メリット]

 

課税所得 所得税 配当控除率 実質負担税率 源泉徴収税率 軽減税率
(所得‐所得控除) 累進税率 配当に乗じる   既に徴収済み 還付率
(A) (B) (C)=A-B (D) C-D
195万円以下 5% ▲10% 0% 15% ▲15%
330万円以下 10% ▲10% 0% 15% ▲15%
695万円以下 20% ▲10% 10% 15% ▲5%
900万円以下 23% ▲10% 13% 15% ▲2%
1000万円以下 33% ▲10% 23% 15% 8%追徴
1800万円以下 33% ▲5% 28% 15% 13%追徴

源泉徴収税率には復興特別所得税0.315%がありますが省略しました。 

また、「配当控除額」は、住民税分を含めると配当所得の10.28%となりますが、ここは、所得税分のみです。なお、投信等の元本取り崩しによる分配金の場合の「配当控除額」は、低くなります。

結 論:課税所得900万円以下で低所得ほどメリット大!

 

・給料や年金、その他所得等に配当を含めた「課税所得」が900万円以上の場合はメリットがないが、695万円以下の人にメリット(税軽減)が得られる。

・695万円以下でも、合算所得が低いほどメリットが大きく、かつ配当所得の比率が高いほどメリットが大きくなる。

 

結局、下表のように数式を紐解けば、「総合課税方式」で申告すれば、配当は、「累進税率ー10%」の税率でよいことになり、既に支払った15%の源泉徴収税は、その分還付されることになります。

 

◯確定申告前の支払い税金は次の式となります。   
  (給与等所得)×累進税率+配当所得×15%
◯総合課税後の税金額は、次の式となります。
   (給与等所得×累進税率A)+(配当所得×累進税率A)ー(配当所得×10%B)

◯但し、累進税率は、上表の「課税所得別軽減税率メリット表」からわかるように、課税所得に200万円以上の増加がなければ変動しないので、配当が加算されても累進税率は影響しないものとします。

すると、結局は、次の通りとなります。  
  (給与等所得×累進税率)+(配当所得×累進税率)ー(配当所得×10%B)
◯配当加算が税金に影響する部分は、次の式となります。
  (配当所得×累進税率)ー(配当所得×10%B)

◯この式をまとめると次の式となります。           
 配当所得×(累進税率ー10%)

◯結局、配当に掛かる税率は、「累進税率から配当控除率10%を差し引いた税率」で良いことになります

◯従って、配当受取り時に徴収された15%の所得税(他に5%の住民税)は、確定申告により、払い過ぎた分が還付されることになります。

 

2)「総合課税方式」による「還付金額」の算出事例

◯年収収入310万円と配当収入90万円の年金所得者の事例
年金収入が310万円、配当収入が90万円で、税金は、年金の所得税6.6万円、株式配当所得税13.8万円で合計20.4万円徴収されています。
なお、
社会保険料控除額等所得控除額額は、130万円であった。(源泉徴収ありの特定口座)

 

「還付金額の算出」

 

年金収入310万円は「年金所得190万円」となり、「配当所得90万円」と合せた「合計所得は280万円」となります。
ここから社会保険等の「所得控除額額」130万円を差し引くと、「課税所得」は、150万円(280∸130)となります。
所得税は、7.5万円(150万円×得税率5%)
ここから配当控除額9万円(配当90万円×配当控除率10%)が税額控除されます。
従って、「確定所得税」は、7.5万円ー9万円から「-2万円」となりますが、国から税金を徴収するわけにはいかないので「0円」となり、、つまり税の納入は不要となります。
これらの結果、源泉徴収された所得税「20.4万円」が「0」で良いことになるので「20.4万円」の還付金を受けることになります

 

これを表を使って表すと下表のようになりますの単位 万円

 

  収入 所得 所得控除 課税所得 確定課税 配当控除 申告課税 源泉徴収 還付
年金 310 190 130 60 5.0%       6.6  
配当 90 90   90 15.3%       13.784  
合計   400 280 130 150 ④ 5.0% 7.5 9.0 -1.5 20.384 20.384

[表の説明]
年金と配当所得の合計280万円(①)から所得控除130万円(②)を差し引いて課税所得150万円(③)を求め、所得税率(課税所得額ランク別Ⅰ表)の5%(④)を乗じて課税額7.5万円(⑤)を確定します。 

そして、この税額から配当控除額(配当90万円×10%=⑥9万円)を税額控除し申告する課税額(⑦‐1.5万円)が確定します。

ここでは「‐1.5万円」となっていますが、税金を徴収するわけにはいきませんので「0」とカウントされます。 

そして「税金が0でいいにも関わらず源泉徴収された所得税が、年金分と配当分合わせて「⑧20.384万円」ありますので、これが還付の対象となり「⑨還付金20万円」が還付されます。」  

 

3)「総合課税方式」による確定申告の住民税への影響に対策必要!

○住民税でも総合課税方式で配当控除を受けると負担増に繋がります。住民税では不要申告手続きをとることをおすすめします! 

 

下表の通り、住民税率は「10%」であることから、住民税の配当控除「2.8%」の適用を受けても、実質「7.2%」の税率となり、配当で源泉徴収された「5%」よりかえって負担増となります。

 

  [Ⅱ表 住民税:課税所得額ランク別に見た配当控除の減税効果]

課税所得金額 住民税率 配当控除率 実質の負担税率 源泉徴収税率 税軽減効果
(A) (B) (C)=A-B (D) C-D
1000万円以下 10% 2.8% 7.2% 5% 2.2%追徴

 

さらに、配当込みの課税所得が、次年度の住民税算定基礎(所得割)に適用され負担増になります。(住民税は昨年度の所得を基礎にするため) 

 

その上、住民税の課税所得を基準とする国民健康保険料、介護保険料、児童手当等の負担増にも繋がりかねません。 

 

従って、確定申告で「総合課税方式」を選択し何もしなければ、住民税では、確定申告の内容がそのまま適用されます。 

 

このため、確定申告で総合課税をされた場合は、住民税では不要申告の手続きをとることをおすすめします。 

 

先程の事例で住民税でも総合課税だと下表のようになります。(金額の単位 万円)

 

  収入 所得 所得控除 課税対象所得 税率 確定課税額 配当控除額 申告課税額 源泉徴収税額 追徴金
年金 310 190 117 73 10.0%       7.3  
配当 90 90   90 5.0%       4.5  
合計 400 ① 280 ② 117 ③ 163 ④ 10.0% ⑤ 16.3 ⑥ 2.5 ⑦ 13.8 ⑧ 11.8 ⑨ 2.0

 

年金と配当所得の合計280万円(①)から、所得控除117万円(②)を差し引いて課税対象所得163万円(③)を求め、住民税率の10%(④)を乗じて課税額16.3万円(⑤)を確定します。 

 

この税額から配当控除額2.5万円(⑥配当90万円×2.8%)を税額控除し、申告する課税額13.8万円(⑦)が確定します。 

 

しかし、源泉徴収された住民税が、年金分と配当分合わせて11.8万円(⑧)なので、申告の課税額13.8万円(⑦)に対し2.0万円(⑨)の不足が生じ、追徴されることになります。 

 

 

◯住民税「申告不要」の手続は確定申告前に! 異なる課税方式の選択には「住民税申告書」を市区町村へ提出することが必要です。 

 

住民税で異なる課税方式を選択する場合は、確定申告書を提出する日以前に、別途、住民税の申告書を市区町村に提出する必要があります。

 

詳細はお近くの市区町村窓口にお問い合わせください。 参照⇒「確定申告と異なる住民税の課税方式選択で株式投資を節税!」

 

3.「分離課税方式」は、損が大きいほどメリットが大きい

分離課税方式は、配当控除には一切触れず、又、給与や年金その他の所得とは関わりなく、株式等の譲渡所得や配当に限定し、売買で生じた損失を活用して「損益通算や繰越控除」等により税軽減を図ることができる仕組みです。 

 

分離課税方式では、当然ですが、譲渡所得や譲渡損失、配当所得の大きさによって還付金の大きさが変わりますので、損や益がが出たから分離課税が有利だとは一概に言えません。 

 

あくまでも両方式を試算した上で、かつ、住民税などへの影響も踏まえて判断されることをことが必要です。

 

1)損や繰越控除が大きいほど税軽減(還付)効果が大きい!

分離課税方式では、一つの口座で損が大きく出た場合や、過去の繰越控除(損の繰越)額が大きいほど、利益と相殺できる額が大きくなる為、節税メリットが大きくなります。 

 

損が大きすぎて相殺できる利益が足りなければ、損を繰越し翌年以降の利益を相殺できる権利が得られます。 

 

従って、損が大きければ大きいほど、分離課税選択のメリットは大きいと言えます。

 

2)株式運用の状況別に「分離課税方式」による節税効果の算出事例

数字の大きさにより税軽減効果がどう変わるか、総合課税方式と比較できるように表にしました。 

 

簡単にいうと、損益通算や相殺によって得られる税軽減額は、「損×15.315%」となります。(もちろん損失額以上に益(含む配当)があることが必要です) 

 

なお、総合課税方式との比較は、前述した年金者モデル(年金収入が310万円、配当収入が90万円)の「所得税の還付金20万円」との対比でみます。

 

①「損が出たので別口座の益と損益通算して税を軽減したい」

複数の「源泉徴収ありの特定口座」を持っていて、一部口座で損(配当を含めても)となったので、益となった別口座と「損益通算」して税還付を受けるのが目的です。

 

  この場合、あくまでも損に見合う口座を選んでその口座の益を減らせば良いので、すべての口座を取り上げる必要はありませんので、ご注意! 

 

◯2つ証券会社(A社、B社)で特定口座を持っていて、それぞれの口座の年間取引結果が下記のケースを想定。

口座名 損益と配当収入及び支払った所得税合計額
A口座 利益400万円と配当45万円で益合計445万円、源泉徴収68万円
B口座 損失300万円と配当45万円で損合計255万円、源泉徴収は 0円

A口座では、所得合計が445万円(400+45)で所得税68万円が源泉徴収されている。
B口座では、損合計が-255万円(-300+45)で所得税0で納めていない。

この二つの口座を合計して損益通算すると、A口座とB口座を合わせた所得合計は190万円(245-55)であり、これに株取引所得税15.32%を乗じると29万円となります。

従って、実際に負担すべき所得税29万円でいいにもかかわらず既に68万円を納付しているので、39万円(68-29)が軽減され還付されることになります。

 

ここでは、損失を超える利益(含む配当)がある場合を想定しましたが、利益が足りなければ損は翌年以降にこち越せます。(「繰越控除」)

 

②「益となったので過去の繰越損と相殺して税を軽減したい」

過去の確定申告で繰越控除(3年間を限度として損を繰り越せる制度)の申告をしている場合に、本年度の利益(含む配当)と相殺して、本年度の利益を圧縮して税の還付が受けられます。 

 

あくまでも繰越損に見合う口座を選んでその口座の益を減らせば良いので、すべての口座を取り上げる必要はありません。 

 

<事例>

 

本年度収益は、利益400万円と配当90万円の合計が490万円となり所得税75万円が源泉徴収されている。

繰越控除には有効分(3年以内)110万円があるので、これと損益通算すると、本年の収益は、380万円(490-110)に圧縮でき、これに本来の所得税率15.32%を乗じると納めるべき税金は、58万円でいいことになる。

従って、既に源泉徴収された75万円から17万円(75-58)が税軽減分として還付されることになります。
 
➂「繰越控除や損益通算しても損が残ったので、損を繰越したい」

シミレーションは省略します。

 

3)住民税への影響を勘案した対策が必要

なお、確定申告を分離課税方式で申告し、そのままにしておくと、株に掛けられた住民税5%分の還付も受けられるので、「総合課税で確定申告し住民税で不要申告する場合」に比べて還付金は多くなります。 

 

しかし、次年度の住民税の算定基礎に、損益通算後の株式所得(譲渡損益+配当)が含まれるので、益が大きく残ると住民税の負担が大きくなる可能性があるので注意が必要です。 

 

くれぐれも、口座間で損益通算する場合は、益が大きく残らないよう益の小さい口座との損益通算に限定して申告しましょう。 

 

結局は、住民税については、還付金の大きさと住民税等への負担増の大きさ等の比較から判断しなければならないところがあり、住民税への影響が大きければ、住民税の還付を断念して、不要申告の手続きをとることも必要です。(住民税での還付金の大きさと、翌年の住民税負担の大きさを比較する必要があります)

 

最後に

このように、その年の株式取引の売買損益と配当の状況、及び過去の繰越控除のあるなしによって、分離課税方式あるいは総合課税方式の選択によって、株式取引での高い税金を節税することができます。 

 

従って、株式投資をされる方は、毎年の確定申告を大いに活用されることをおすすめします。 

 

「総合課税方式」と「分離課税方式」のどちらが税軽減に有利であるかは、およその見当はつきますが、住民税や介護保険料等への影響も勘案され、それぞれをe-tax」で試算の上で判断されることをおすすめします。

 

  「定申告|1月はe-Taxで還付申告の準備をしよう!  

 

ーーーーーーーーーーー 完  ーーーーーーーーーーーー
 

確定申告に使えるICカードリーダーの選び方

 

e-taxで確定申告をする際、マイナンバーカードで認証を受ける為には、マイナンバーカードに対応しているICカードリーダーであることが第一条件です。 

マイナンバーカード対応製品リストは、「公的個人認証サービス」のポータルサイトで確認できます。 

 

次に、パソコン等に対応したCカードリーダーでなければなりません。 そのためには、下記のような事項にも注意が必要です。

 

①対応するOSの種類に注意
2019年に、e-Taxが、macOSにも対応しましたが、Windowsモデルが圧倒的なので注意が必要です。
 
②「接触型」と「非接触型」の2種類があることに注意
 
➂USB接続とBluetooth接続の2種類の接続方式がある
また、USB接続は、「Type-A」と「Type-C」があります。
 

おすすめカードリーダー

 

関連記事

株取引の確定申告|株で損した時の確定申告による節税方法と事例解説

株取引で損(配当を含めても損)した場合に、確定申告は福の神(節税補償)に変身!

 

「特定口座で源泉徴収選択」の場合、年間取引で損となれば、証券会社では、年度末に同口座の配当と損益通算して配当で徴収された税が還付されます。

これは、証券会社が株式取引損益と配当との損益通算を分離課税方式で節税してくることによるものです。 

 

◯配当と損益通算しても益が残る場合の確定申告 

 

配当と損益通算しても益が残る場合は、確定申告により、「他口座に損があれば損益通算する」、「過去の繰越控除があればそれと損益通算する」などの節税方法があります。(細部は、「株取引の確定申告|株で儲けた時の確定申告による節税方法と事例解説」をご参考に願います。) 

 

◯配当を含めても赤字の場合の確定申告は次の2つの節税方法がある 

 

①「他に益(配当含めて)となった口座」がある場合は、その口座と損益通算して利益を圧縮節税する方法です。(分離課税方式) 

 

②「他に益(配当含めて)となった口座」がない場合は、損を繰越し向後3年間の利益と損益通算して利益圧縮による節税に使う為に「繰越控除」の確定申告をする。


なお、配当を含めても損の場合は、配当にかかった税金は全て証券会社から既に還付されているので総合課税方式を選択しても配当控除のメリットは0であるだけでなく、住民税等で不利益になる場合もあり得るのでご注意ください。 

 

このように、株で損した場合も、確定申告により大きな節税の種を得ることになります。従って、損した場合は、確定申告を忘れないことが重要です。 

 

株で損した場合の確定申告の方法を整理しました。参考になれば幸いです。

 

 

 

 

Ⅰ.株取引で損した場合の確定申告による節税方法

1.確定申告には、株式運用の高い税金が節税できる「総合課税方式」と「分離課税方式」の仕組みがある

1)株式運用には高い税金がかかる

株で儲かった場合、株取引での利益に20%(所得税15%+住民税)の税金が徴収されています。さらに、配当にも、同率の税金がかかります。

課税対象 所得税 住民税
上場株式の利益・配当 15.315%(0.315%は復興税)  5% 20.315%

 

従って、株で儲かった場合は、高い税金が源泉徴収された状態にあります。 

以下では、全て、特別口座で源泉徴収選択を前提として説明します。) 

 

所得の高い人ならいざ知らず、一般会社員や年金受給者も低金利時代の中で、資産運用を株式投資などに注力せざるを得ない中で20%の税率は余りに高いものとなっています。

 

2)確定申告には、「総合課税方式」と「分離課税方式」という節税の仕組みがある

確定申告には、株式運用に伴う高い税金を節税できる仕組みとして、損益通算で利益圧縮できる「分離課税方式」や、配当を給与所得と同等扱いにし配当控除が受けられる「総合課税方式」という2つの課税方式が用意されています。

 

  「分離課税方式」は、「株式売買で被った損失」と「他の利益や配当など」と損益通算して利益を圧縮し税軽減ができる仕組みです。 

 

「総合課税方式」は、配当を給与等の所得と同扱いとし、給与等と合算した総所得に給与等の所得税率(累進税率)を適用し、「※配当控除」の税額控除が受けられ、税軽減ができる仕組みです。 

 

※配当は、企業が法人税を既に支払済の原資であるため、配当に更に税を課しているのは二重課税になります。このため、配当を給与等と同取り扱いにした上で「配当控除」を適用して二重課税を解消するというものです。 

 

従って、この2方式の「いずれか」を利用して株式運用に伴う税金の節税が図れることになります!

 

3)確定申告は、儲けた場合以上に損した場合は節税に生かせます!

株取引で損した場合には、「分離課税方式」を使って、儲けた他口座との損益通算や、次年度以降の儲けが圧縮でき、税金を払わず売価の100%収益化できる「繰越控除」にするなどの節税対策がとれます。

 

2.株で損した場合の確定申告による節税方法

株で損した場合の年度末の株式口座(特定口座で源泉徴収選択とします)の状況は、次の2つのケースがあります。 

 

一つは、「株取引は損となったが配当を含めると黒字となった」場合、二つは、「株取引は大きな損となり配当を含めても赤字と黒字となった」場合です。 

 

しかし、前者の「株取引は損となったが配当を含めると黒字となった」場合は、「特定口座で源泉徴収選択」であれば、配当で支払った税金については、損益通算によってその分の税金還付を証券会社から受け取っています。 

 

従って、残された配当の支払い済みの税金は、分離課税により、「損となった他口座」或いは「過去の繰越控除」との損益通算するか、総合課税方式で、残された配当課税分についての「配当控除」を受けるかの節税方法があります。

 

細部は、「株取引の確定申告|株で儲けた時の確定申告による節税方法と事例解説」をご参考に願います。 

 

従って、この記事では、「配当を含めても損となった場合」に限定して節税のための確定申告をご紹介します。

 

 

「配当を含めても損となった場合」には、次の2つの節税方法があります。

 

配当含めて損した場合の確定申告による2つの節税方法

以下の2方法があります。

①益となった別口座と損益通算(利益圧縮)して税を軽減する

他の証券会社に口座があり、配当を加えて黒字であれば、その黒字と損益通算して利益を圧縮し税金を戻してもらうことができます。(「分離課税方式」による確定申告)

②損を繰越し向後3年間の利益(含む配当)と相殺して税軽減に利用する

他の口座の利益と相殺しても赤字が残った場合、損を繰り越して向後3年間の利益相殺ができる「繰越控除」の確定申告を行う。

「分離課税方式」による確定申告) 

 

なお、配当を含めて赤字の場合は、配当にかかった税金も既に証券会社で(分離課税方式により)還付されているため、総合課税方式は選択できません。※

 

※上場株式等に係る譲渡損失(赤字)と上場株式等に係る配当所得との損益通算は、申告分離課税を選択したものに限り可能であり明細書を添付することになっています。

 

 

 

Ⅱ.配当含めて損の場合の2つ節税方法(事例で解説)

 

上述の「損した場合の確定申告による2つの節税方法」の各方法を、数字を使って事例化してみました。ご参考になれば、幸いです。

「益となった別口座と損益通算して税を軽減する」

複数の口座を持っていて、一部の口座で損(配当を含めても)が出ている場合、適当な口座間で「損益通算(利益圧縮)」の申告をすれば税還付が受けられます。 

 

あくまでも損に見合う口座を選んでその口座の益を減らせば良いのです。(すべての口座を取り上げる必要はありませんので、ご注意を!)

 

◯事例①

「2つ証券会社(A社、B社)で特定口座を持っていて、それぞれの口座の年間取引結果が下記の2ケース(損失の大きさを変えて比較する為です!)を想定」 

 

<ケースⅠ>配当含めて損失55万円の場合

 

口座名 損益と配当収入及び支払った所得税合計額
A口座 損失100万円配当45万円損合計55万円源泉徴収税 0円
B口座 利益200万円と配当45万円で益合計245万円、源泉徴収税38万円

A口座では、損合計が-55万円(-100+45)で所得税0で納めていない。
B口座では、所得合計が245万円(200+45)で所得税38万円が源泉徴収されている。

二つの口座を損益通算すると、所得合計は190万円(245-55)であり、これに株取引所得税15.32%を乗じると29万円となる。
従って、実際に負担すべき所得税が29万円となり、既に38万円を納付しているので、9万円(38-29)が還付されます。

  

 

<ケースⅡ>配当含めて損失155万円の場合

 

口座名 損益と配当収入及び支払った所得税合計額
A口座 損失200万円配当45万円損合計155万円源泉徴収税 0円
B口座 利益200万円配当45万円益合計245万円源泉徴収税38万円

A口座では、損合計が-155万円(-200+45)で所得税0で納めていない。
B口座では、所得合計が245万円(200+45)で所得税38万円が源泉徴収されている。

この二つの口座を損益通算すると、所得合計は90万円(245-55)であり、これに株取引所得税15.32%を乗じると14万円となる。
従って、実際に負担すべき所得税14万円となり、既に38万円を納付しているので、24万円(38-14)が還付されます。

 

 

  <ケースⅢ>配当含めて損失255万円の場合

 

口座名 損益と配当収入及び支払った所得税合計額
A口座 損失300万円と配当45万円で損合計255万円、源泉徴収は 0円
B口座 利益400万円配当45万円益合計445万円源泉徴収税68万円

A口座では、損合計が-255万円(-300+45)で所得税0で納めていない。
B口座では、所得合計が445万円(400+45)で所得税68万円が源泉徴収されている。

二つの口座を合計して損益通算すると、所得合計は190万円(245-55)であり、これに株取引所得税15.32%を乗じると29万円となります。
従って、実際に負担すべき所得税29万円となり、既に68万円を納付しているので、39万円(68-29)が還付されます。

 

以上の様に、配当含めた損失額に15.32%乗じた金額が還付されることになります。

 

従って、損失額が大きいほど税軽減効果は大きくなります。 

 

ここでは、損失を超える利益(含む配当)が他口座にある場合を想定しましたが、利益が足りなければ、損は、「繰越控除」として翌年以降に持ち越せます。

 

 

②「損を繰越し(繰越控除という)向後3年間の利益(含む配当)と相殺して税軽減に利用する」

他の口座の利益と相殺しても赤字が残った場合、あるいは、相殺できる他の口座がない場合は、「分離課税方式」による確定申告により、損を繰り越して向後3年間の利益(配当含む)と相殺ができる「繰越控除」の申告を行う。 

 「繰越控除」は、確定申告で3年間を限度として損を繰り越せる制度です。 向後3年間において儲かった利益(含む配当)と相殺して、当該年度で源泉徴収された所得税の還付を確定申告により受けとれるための仕組みです。

なお、配当を含めて赤字の場合は、配当にかかった税金も既に証券会社で還付されているため、総合課税方式で確定申告はできません。

 

◯事例②

<ケースⅠ>損110万円を繰越控除した場合

 

翌年度の取り引きが、利益400万円と配当90万円の合計490万円となり、所得税75万円が源泉徴収された場合、

繰越控除の110万円と損益通算して利益を380万円(490-110)に圧縮、
これに所得税率15.32%を乗じて納めるべき税金は、58万円とし、源泉徴収された75万円から17万円(75-58)を還付してもらうことになります。

 

 

  <ケースⅡ>損310万円を繰り越した場合

 

翌年度の取り引きが、利益400万円と配当90万円の合計490万円となり、所得税75万円が源泉徴収された場合、

繰越控除の310万円と損益通算して利益を180万円(490-310)に圧縮、
これに所得税率15.32%を乗じて納めるべき税金を28万円とし、源泉徴収された75万円から47万円(75-28)を還付してもらうことになります。

 

 

  <ケースⅢ>損600万円を繰り越した場合

 

翌年度の取り引きが、利益400万円と配当90万円の合計490万円となり、所得税75万円が源泉徴収された場合、

繰越控除の600万円の内、490万円の損と損益通算して利益を0円(490-490)に圧縮、納めるべき税金を0円とし、源泉徴収された75万円全額を還付してもらうことになります。

そして、繰り越した損600万円は、翌年度に490万円分が利用されたので、残り110万円は、引き続き2年間の有効期間がある繰越控除として残ります。

 

最後に

株で損した場合も、確定申告で高い税金の節税が可能となります。

 

 株で損した時は、資産が減少しますが、損失が大きければ大きいほど、還付金は大きくなります。 

簡単にいうと損失額の20%が還付されるので、株取引で徴収される税金が損失額の範囲で徴収されずに済みます。(次年度の確定申告後となりますが) 

 

そういう意味では、損失額の確定申告は非常に重要な資産運用術にもなります。

 

 「特定口座で源泉徴収選択」であっても、損失の場合は、確定申告によって損失回収が早まる可能性は大きくなります。 

 

是非、株取引で損した場合は、「e-tax」を使って、大きな節税に繋がる有利な選択をされることをおすすめします! 

 

※参考☞「確定申告|1月はe-Taxで還付申告の準備をしよう!

 

ーーーーーーーーーーーーー 完 ーーーーーーーーーーーーー
 

確定申告に使えるICカードリーダーの選び方

e-taxで確定申告をする際、マイナンバーカードで認証を受ける為には、マイナンバーカードに対応しているICカードリーダーであることが第一条件です。 

マイナンバーカード対応製品リストは、「公的個人認証サービス」のポータルサイトで確認できます。 

 

次に、パソコン等に対応したCカードリーダーでなければなりません。 

そのためには、下記のような事項にも注意が必要です。

 

①対応するOSの種類に注意
2019年に、e-Taxが、macOSにも対応しましたが、Windowsモデルが圧倒的なので注意が必要です。
 
②「接触型」と「非接触型」の2種類があることに注意
 
➂USB接続とBluetooth接続の2種類の接続方式がある
また、USB接続は、「Type-A」と「Type-C」があります。
 

おすすめカードリーダー

 

 

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株取引の確定申告|株で儲けた時の確定申告による節税方法と事例解説

確定申告は、株式運用にかかる高い税金が節税できる貴重なツール! 

確定申告による節税は、取引で損した場合に、損を生かした損益通算で利益圧縮して節税するイメージが強いのですが、利益が出た場合も、確定申告により節税できることも多いのです。 

 

儲かった場合に、確定申告では2つの節税方法があります。 

一つは、その利益を圧縮するために、「他に損となった口座」及び「過去の繰越控除」と損益通算して利益を圧縮する節税方法です。(分離課税方式) 

もう一つは、取引の損益には触れず、配当のみに焦点を当て、「配当所得」を「給与等所得」に合算して総所得として累進所得税率の適用を受けて「所得控除」を受ける節税方法です。(総合課税方式) 

このように、株で儲けた場合にも、確定申告により高い税金を節税できるチャンスがあり、本記事では、株で儲けた場合の確定申告のやりかたを整理しました。 参考になれば幸いです。

   

 

Ⅰ.株取引で儲かった場合の確定申告による節税方法

1.確定申告には、株式運用の高い税金が節税できる「総合課税方式」と「分離課税方式」の仕組みがある

1)株式運用には高い税金がかかる

株で儲かった場合、株取引での利益に20%(所得税15%+住民税)の税金が徴収されています。さらに、配当にも、同率の税金がかかります。

課税対象 所得税 住民税
上場株式の利益・配当 15.315%(0.315%は復興税)  5% 20.315%

従って、株で儲かった場合は、高い税金が源泉徴収された状態にあります。

 (以下では、全て、特別口座で源泉徴収選択を前提として説明します。) 

所得の高い人ならいざ知らず、一般会社員や年金受給者も低金利時代の中で、資産運用を株式投資などに注力せざるを得ない中で20%の税率は余りに高いものとなっています。

2)確定申告には、「総合課税方式」「分離課税方式」という節税の仕組みがある

確定申告には、株式運用に伴う高い税金を節税できる仕組みとして、損益通算で利益圧縮できる「分離課税方式」や、配当を給与所得と同等扱いにし配当控除が受けられる「総合課税方式」という2つの課税方式が用意されています。 

「分離課税方式」は、

「株式売買で被った損失」と「他の利益や配当など」と損益通算して利益を圧縮し税軽減ができる仕組みです。

「総合課税方式」は、

配当を給与等の所得と同扱いとし、給与等と合算した総所得に給与等の所得税率(累進税率)を適用し、「※配当控除」の税額控除が受けられ、税軽減ができる仕組みです。 

※配当は、企業が法人税を既に支払済の原資であるため、配当に更に税を課しているのは二重課税になります。このため、配当を給与等と同取り扱いにした上で「配当控除」を適用して二重課税を解消するというものです。 

従って、この2方式のいずれかを利用して株式運用に伴う税金の節税が図れることになります!

3)確定申告は、損した場合だけでなく儲けた場合も節税できる仕組みです

株取引で損した場合には、「分離課税方式」を使って、儲けた他口座との損益通算や、次年度以降の儲けが圧縮できる繰越控除にするなどの節税対策がとれます。 

一方、株取引で儲けた場合にも、「分離課税方式」を使って、損した他口座や過去の繰越控除との損益通算で利益圧縮し税できます。

更に、そういったものがない場合には、「総合課税方式」を使い「配当控除」を受けることで節税することもできます。

2.株で儲かった場合の確定申告による節税方法

株で儲かった場合の年度末の株式口座(特定口座で源泉徴収選択とします)の状況は、「株取引は益となり配当を含めて黒字となった」となっています。 

そのような口座状況で、株式運用にかかった高い税金を取り戻すには、確定申告の仕組みを使って申告する必要があります。

儲かった場合の確定申告による3つの節税方法

以下の3方法があります。

①損となった別口座と損益通算(利益圧縮)して税を軽減する
他の証券会社に口座があり、配当を加えても赤字であれば、その赤字と損益通算して利益を圧縮し税金を戻してもらう。(「分離課税方式」による確定申告)
②今年度の利益(含む配当)と過去の繰越損と相殺(益の圧縮)して税を軽減する

他の口座との相殺を経ても黒字が残った場合、過去の「繰越控除」があれば、それと損益通算(利益圧縮)し税金を戻してもらう。(「分離課税方式」による確定申告)

➂株取引には触れず、配当を給与等所得に算入課税し配当控除を受ける

他に相殺すべき口座や過去の繰越控除が無い場合、株取引の損益には一切触れず、「配当所得」を「給与所得等」に合算して累進所得税率を適用し「配当控除」を受けて税金を戻してもらう。(「総合課税方式」による確定申告) 

なお、「総合課税方式」の選択は、他に相殺すべき口座や過去の繰越控除があっても、分離課税方式による節税効果が低ければ、株取引の損益には一切触れず済む「総合課税方式」を選択することになります。

Ⅱ.3つの節税方法を数字を使って具体的に解説

上述の「儲かった場合の確定申告による3つの節税方法」の各方法を、数字を使って事例かしてみました。ご参考になれば、幸いです。

損となった別口座と損益通算して税を軽減する」

複数の口座を持っていて、一部の口座で損(配当を含めても)が出ている場合、適当な口座間で「損益通算(利益圧縮)」の申告をすれば税還付が受けられます。

  あくまでも損に見合う口座を選んでその口座の益を減らせば良いのです。(すべての口座を取り上げる必要はありませんので、ご注意を!)

◯事例①

「2つ証券会社(A社、B社)で特定口座を持っていて、それぞれの口座の年間取引結果が下記の3ケース(損失の大きさを変えて比較する為です!)を想定」 

 

<ケースⅠ>

口座名 損益と配当収入及び支払った所得税合計額
A口座 利益200万円配当45万円益合計245万円源泉徴収税38万円
B口座 損失100万円配当45万円損合計55万円源泉徴収税 0円

A口座では、所得合計が245万円(200+45)で所得税38万円が源泉徴収されている。
B口座では、損合計が-55万円(-100+45)で所得税0で納めていない。


二つの口座を損益通算すると、所得合計は190万円(245-55)であり、これに株取引所得税15.32%を乗じると29万円となる。


従って、実際に負担すべき所得税が29万円となり、既に38万円を納付しているので、9万円(38-29)が還付されます。

 

<ケースⅡ>

口座名 損益と配当収入及び支払った所得税合計額
A口座 利益200万円配当45万円益合計245万円源泉徴収税38万円
B口座 損失200万円配当45万円損合計155万円源泉徴収税 0円

A口座では、所得合計が245万円(200+45)で所得税38万円が源泉徴収されている。
B口座では、損合計が-155万円(-200+45)で所得税0で納めていない。


この二つの口座を損益通算すると、所得合計は90万円(245-55)であり、これに株取引所得税15.32%を乗じると14万円となる。


従って、実際に負担すべき所得税14万円となり、既に38万円を納付しているので、24万円(38-14)が還付されます。

 

<ケースⅢの場合>

口座名 損益と配当収入及び支払った所得税合計額
A口座 利益400万円配当45万円益合計445万円源泉徴収税68万円
B口座 損失300万円配当45万円損合計255万円源泉徴収は 0円

A口座では、所得合計が445万円(400+45)で所得税68万円が源泉徴収されている。
B口座では、損合計が-255万円(-300+45)で所得税0で納めていない。

二つの口座を合計して損益通算すると、所得合計は190万円(245-55)であり、これに株取引所得税15.32%を乗じると29万円となります。

従って、実際に負担すべき所得税29万円となり、既に68万円を納付しているので、39万円(68-29)が還付されます。

 

以上の様に、損失額が大きいほど税軽減効果は大きくなります。 

 

なお、ここでは、損失を超える利益(含む配当)がある場合を想定しましたが、利益が足りなければ、損は、「繰越控除」として翌年以降にこち越せます。

住民税に注意!(重要)

確定申告を「分離課税方式」で申告し、そのままにしておくと、株に掛けられた住民税5%分の還付も受けられるので、「総合課税で確定申告し住民税で不要申告する場合」に比べて還付金は多くなります。 

しかし、次年度の住民税の算定基礎に、損益通算後の株式所得(譲渡損益+配当)が含まれるので、益が大きく残ると住民税の負担が大きくなる可能性があるので注意が必要です。 

従って、口座間で損益通算する場合は、益が大きく残らないよう、益の小さい口座との損益通算に限定して申告しましょう。 

結局は、住民税については、還付金の大きさと住民税等への負担増の大きさ等の比較から判断しなければならないところがあり、住民税への影響が大きければ、住民税の還付を断念して、不要申告の手続きをとることも必要です。

(住民税での還付金の大きさと、翌年の住民税負担の大きさを比較する必要があります)  

②「今年度の利益(含む配当)と過去の繰越損と相殺して税を軽減する」

過去に損が出て確定申告で繰越控除(3年間を限度として損を繰り越せる制度)の申告をしている場合、本年度の利益(含む配当)と繰越控除とを相殺して、本年度の利益に対して源泉徴収された所得税の還付を受けるのが目的です。 

あくまでも繰越損に見合う口座を選んでその口座の益を減らせば良いのです。(すべての口座を取り上げる必要はありませんので、ご注意を!

◯事例②

<ケースⅠ>繰越控除の有効分(3年以内)が110万円がある場合

本年度の利益400万円配当90万円合計が490万円所得税75万円源泉徴収

繰越控除の有効分(3年以内)110万円と損益通算すると、本年の利益は、380万円(490-110)に圧縮、これに所得税率15.32%を乗じると納めるべき税金は、58万円となる。

従って、既に源泉徴収された75万円から17万円(75-58)が還付される

 

  <ケースⅡ>繰越控除の有効分(3年以内)が310万円ある場合

本年度収益は、利益400万円配当90万円合計が490万円となり所得税75万円源泉徴収されている。

繰越控除には有効分(3年以内)310万円があるので、これと損益通算すると、本年の収益は、180万円(490-310)に圧縮でき、これに本来の所得税率15.32%を乗じると納めるべき税金は、28万円でいいことになる。

従って、既に源泉徴収された75万円から47万円(75-28)が税軽減分として還付されることになります。

住民税に注意!(重要)

確定申告を分離課税方式で申告し、そのままにしておくと、株に掛けられた住民税5%分の還付も受けられるので、「総合課税で確定申告し住民税で不要申告する場合」に比べて還付金は多くなります。 

しかし、次年度の住民税の算定基礎に、損益通算後の株式所得(譲渡損益+配当)が含まれるので、益が大きく残ると住民税の負担が大きくなる可能性があるので注意が必要です。 

くれぐれも、損益通算して益が大きく残る場合は総合課税方式にするか、住民税不要申告制度を活用するか精査が必要です。 

なお、所得税と住民税とでは、株取引に伴う税率及び課税所得の取り扱いに差があり、「住民税の申告不要制度」の理解も重要になります!

株式等の利益や配当所得の取り扱いは、所得税と住民税とでは差があり、確定申告すると住民税の負担増を招きかねない問題がありました。

これでは、節税の為の確定申告ができないため、平成29年度税制改正で、住民税では所得税と異なる課税方式が選べることになりました。

このため、住民税では、必要に応じて確定申告とは別の課税方式を選択する必要があります。(「申告不要制度」を市区町村住民税課に確定申告前に提出する)

しかしながら、せっかくのこの制度も廃止に向けた見直しが検討されることになっています!

➂「株取引には触れず、「総額課税方式」により、配当を給与等所得に算入し配当控除を受ける

「年間の株取引結果は、大きな利益がでた」、あるいは、「損益通算による還付金メリットよりも総額課税方式による配当控除のメリットの方が大きい」等の場合、配当に限定して節税できる仕組みが「総合課税方式」です。

(1)「総合課税方式」による税計算

税額の計算は、下の算式のようになります。 

配当を「配当所得」として「給与等の所得」と合算した上で、社会保険料基礎控除等の「所得控除」を差し引いた金額(「課税所得」という)に、その「課税所得」水準に該当する「累進所得税」を乗じて「所得税額」(「確定前の所得税」という)を算出します。 

その「確定前の所得税」から「配当控除(配当の10.00%の金額)」が「税額控除」され実負担となる「確定所得税」が算定されます。

算式(①→②)

 

① {(給与等の所得+配当所得)- 社会保険等の所得控除累進所得税  =確定前の所得税
② 確定前の所得税 - 配当控除(配当金額の10%分)   =確定所得税

 

この計算の流れを分解すると下表の①から⑤の流れとなります。

順序 求める額 計算式
「総所得額」 「給与または年金所得」+「配当所得」
「課税対象額」 「総所得額」-「社会保険料等の所得控除額」
所得税額」 「課税対象額」× 所得税率(累進税率)
「最終の税額」 所得税額」-「配当控除額」
「還付額」 源泉徴収された給与・年金所得の納税額と配当の納税額」-「最終の税額」

「配当控除額」は、配当所得の10.00%(参考:住民税の配当控除は2.8%)

(2)総合課税は、課税所得が900万円以下の方にメリット大で低所得ほどメリットが大きい

給与等の所得税は、「累進税率」であるため、「配当控除」によるメリットが享受できるのは、下のⅠ.表の通り、課税所得900万円以下の方となります。

その中でも、軽減税率をみるとわかるように、低所得で配当所得の割合が高いほど配当控除のメリットが大きくなります。 

なお、総合課税では全ての所得が合算されるため、給与や年金の他に、不動産家賃収入、事業所得、株式・建物・土地を除く譲渡所得、一時所得等があると、その分メリットが少なくなります。

  [Ⅰ表 課税所得額別に見た配当控除による減税効果] 

表で使われている各用語の意味は次の通りです。 

・「所得税率」は、課税所得額(給与等所得+配当所得)に対応した累進課税 

・「配当控除率」は、「配当控除額」の算定に用いられる率。1000万円までは10%、1800万円までは5%、1800万以上は0%を配当所得に乗じて配当控除額をだします。 

・「実質負担率」は、所得税率が、配当控除率分の負担減になった実質負担率を表す 

・「源泉徴収率」は、配当で源泉徴収された税率を表す 

・「軽減税率」は、配当控除により源泉徴収された税率がいくら軽くなるかを示す率! 

・「配当控除額」は、住民税分を含めると配当所得の10.28%となりますが、ここは、所得税分のみです。

なお、投信等の元本取り崩しによる分配金の場合の「配当控除額」は、低くなります。

課税所得金額 所得税 配当控除率 実質負担税率 源泉徴収税率 軽減税率
(所得‐所得控除) 累進税率 配当に乗じる   既に徴収済み 還付率
(A) (B) (C)=A-B (D) C-D
195万円以下 5% ▲10% 0% 15% ▲15%
330万円以下 10% ▲10% 0% 15% ▲15%
695万円以下 20% ▲10% 10% 15% ▲5%
900万円以下 23% ▲10% 13% 15% ▲2%
1000万円以下 33% ▲10% 23% 15% 8%追徴
1800万円以下 33% ▲5% 28% 15% 13%追徴

源泉徴収税率には復興特別所得税0.315%がありますが省略しました。   

なお、「所得」は、「給与等所得+配当所得」であり、「所得税率」は給与等と配当の両方にかかります。 

そこに、配当には10%の控除率が適用となるので、「累進税率」は、その分負担軽減となります。 

これらを、下表の通り、算式を使って、整理すると、結局、配当には「累進税率ー10%」の税率でよいことになり、既に支払った15%の源泉徴収は、その分還付されることになります。

配当を給与等に加算し配当控除を受けた場合のメリットを算式の整理にて表します。

①元々の所得税    : 給与等所得×累進税率
②配当算入後の所得税 :(給与等所得+配当所得)×累進税率Aー(配当所得×※10%)
10%:配当控除率で「配当控除額」の算定に用いられる率。1000万円までは10%
なお、配当を加算することで累進税率を累進税率Aとしましたが、下表(課税所得額と累進税率)から、累進税率が変わるのは200万円位の加算を要します。従って、基本的には累進税率はかわらないとして説明します。
また、累進税率を乗じる前に社会保険料等の所得控除が実際にはありますが、割愛します。


まず、②の算式(給与等所得+配当所得)×累進税率ー(配当所得×10%)を並び変えると、
右の様になります。 (給与等所得×累進税率)+(配当所得×累進税率)ー(配当所得×10%) ここで配当算入で税金に影響する部分は、(配当所得×累進税率)ー(配当所得×10%B)の部分。
この式を整理すると右の様になります。  「配当所得×(累進税率ー10%」


以上から、配当所得に課される税金は、累進税率より10%を差し引いた率で良いことになります。
 しかし、配当には既に15%の所得税(他に5%の住民税)が源泉徴収されています。
従って、確定申告すると、払い過ぎた金額が還付されます。


<計算例>
◯給与所得が700万円で累進税率が20%、配当が50万円であった場合
 配当にかかる税金は、50万円×(20%-10%)=5万円でよいことになるが、既に15%の所得税(他に5%の住民税)として7.5万円が徴
取されているので、確定申告で1.5万円が還付される。

◯給与所得が400万円で累進税率が10%、配当が50万円であった場合
 配当にかかる税金は、50万円×(10%-10%)=0円でよいことになるが、既に15%の所得税(他に5%の住民税)として7.5万円が徴取されているので、確定申告で7.5万円が還付される。

◯給与所得が300万円で累進税率が5%、配当が50万円であった場合
配当にかかる税金は、50万円×(5%-10%)=0円でよいことになるが、既に15%の所得税(他に5%の住民税)として7.5万円が徴取されているので、確定申告で7.5万円が還付される。

[結 論:課税所得900万円以下で低所得ほどメリット大!]

 

・給料や年金、その他所得等に配当を含めた課税所得が900万円以上の場合はメリットがないが、695万円以下の人にメリット(税軽減)が得られる。

・695万円以下でも、合算所得が低いほどメリットが大きく、かつ配当所得の比率が高いほどメリットが大きくなる。

(3)数字を使った「還付金額」算出

◯事例1
年金生活者で、年金310万円と配当90万円あわせた収入が400万円、両方で源泉徴収された所得税が22.4万円のケース

[申告データー]

 

①年金収入が310万円で、年金で源泉徴収された所得税は6.6万円、株式の配当は総額で90万円で所得税13.8万円が源泉徴収された。

②確定申告のため整理したところ、年度末での社会保険料控除額、生命保険料控除額、配偶者控除額、基礎控除額など所得控除額額は、合計で130万円となった。

源泉徴収ありの特定口座」で運用)

「還付金額算出のシミレーション」

年収は、年金310万円と配当90万円合わせた400万円ですが、所得にすると、年金所得が190万円、配当所得が90万円で「合計所得」280万円となります。

ここから社会保険等の「所得控除額額」130万円を差し引くと、「課税所得」は、280∸130より150万円となります。
この課税所得150万円に所得税率5%(上述Ⅰ表の195万円以下に該当)を乗じた7.5万円が所得税となります。
ここから「配当控除額」が税額控除されて「最終の所得税」が確定されます。
 
「配当控除額」は、配当の10%額ですから9万円(90万円×10%)となります。
従って、「確定所得税」は、「-2万円」(7.5万円ー9万円)となりますが、国から税金を徴収するわけにはいかないので「0円」、つまり税の納入は不要となります。

このため、源泉徴収された所得税が、年金分と配当分合わせて「20.4万円」ありますので、これが還付の対象となり「還付金20万円」が還付されます。」

  これを表を使って表すと下表のようになりますの単位 万円

  収入 所得 所得控除 課税所得 確定課税 配当控除 申告課税 源泉徴収 還付
年金 310 190 130 60 5.0%       6.6  
配当 90 90   90 15.3%       13.784  
合計   400 280 130 150 ④ 5.0% 7.5 9.0 -1.5 20.384 20.384

[表の説明] 

年金と配当所得の合計280万円(①)から所得控除130万円(②)を差し引いて課税所得150万円(③)を求め、所得税率(課税所得額ランク別Ⅰ表)の5%(④)を乗じて課税額7.5万円(⑤)を確定します。 

そして、この税額から配当控除額(配当90万円×10%=⑥9万円)を税額控除し申告する課税額(⑦‐1.5万円)が確定します。

ここでは「‐1.5万円」となっていますが、税金を徴収するわけにはいきませんので「0」とカウントされます。 

そして「税金が0でいいにも関わらず源泉徴収された所得税が、年金分と配当分合わせて「⑧20.384万円」ありますので、これが還付の対象となり「⑨還付金20万円」が還付されます。」  

(4)注意が必要!総合課税方式による「住民税」への影響と対策

○住民税で総合課税方式の配当控除を受けると負担増に繋がるので、確定申告で総合課税をされた場合、住民税では不要申告手続きをとることをおすすめします! 

下表の通り、住民税の給与等所得に対する税率は「10%」であることから、住民税の配当控除「2.8%」の適用を受けても、実質「7.2%」の税率となるので、配当で源泉徴収された「5%」よりかえって負担増となります。 

[Ⅱ表 住民税:課税所得額ランク別に見た配当控除の減税効果]

課税所得金額 住民税率 配当控除率 実質の負担税率 源泉徴収税率 税軽減効果
(A) (B) (C)=A-B (D) C-D
1000万円以下 10% 2.8% 7.2% 5% 2.2%追徴

 

  また、配当込みの課税所得が、次年度の住民税算定基礎(所得割)に適用され負担増になります。(住民税は昨年度の所得を基礎にするため) 

さらに、住民税の課税所得を基準とする国民健康保険料、介護保険料、児童手当等の負担増にも繋がります。 

確定申告で総合課税方式を選択し、住民税で何もしなければ、確定申告の申告内容がそのまま適用されます。 

このため、確定申告で総合課税をされた場合は、住民税では不要申告の手続きをとることをおすすめします。   

 

○実際に数字を使った住民税のシミレーション 

先程の事例で住民税でも総合課税だと下表のようになります。(金額の単位 万円)

  収入 所得 所得控除 課税対象所得 税率 確定課税額 配当控除額 申告課税額 源泉徴収税額 追徴金
年金 310 190 117 73 10.0%       7.3  
配当 90 90   90 5.0%       4.5  
合計 400 ① 280 ② 117 ③ 163 ④ 10.0% ⑤ 16.3 ⑥ 2.5 ⑦ 13.8 ⑧ 11.8 ⑨ 2.0

年金と配当所得の合計280万円(①)から、所得控除117万円(②)を差し引いて課税対象所得163万円(③)を求め、住民税率の10%(④)を乗じて課税額16.3万円(⑤)を確定します。

この税額から配当控除額2.5万円(⑥配当90万円×2.8%)を税額控除し、申告する課税額13.8万円(⑦)が確定します。 

しかし、源泉徴収された住民税が、年金分と配当分合わせて11.8万円(⑧)なので、申告の課税額13.8万円(⑦)に対し2.0万円(⑨)の不足が生じ、追徴されることになります。  

 

○住民税「申告不要」の手続は確定申告前に! 

異なる課税方式の選択には「住民税申告書」を市区町村へ提出することが必要です。 

住民税で異なる課税方式を選択する場合は、確定申告書を提出する日以前に、別途、住民税の申告書を市区町村に提出する必要があります。

詳細はお近くの市区町村窓口にお問い合わせください。 

参照⇒「確定申告と異なる住民税の課税方式選択で株式投資を節税!」  

最後に

株で儲けた場合も、確定申告で高い税金の節税が大抵の場合はできます。 

確定申告方法には、「総合課税方式」と「分離課税方式」がありますが、どちらが税軽減に有利であるかは、およその見当はつくものの、住民税や住民税をもとに決定される介護保険料その他への影響も十分考慮する必要があります。 

微妙な場合や、節税の大きさを確認するためには、e-tax」が重宝なツールとなります。(確定申告|1月はe-Taxで還付申告の準備をしよう! 

是非、儲かった場合も、e-tax」を使って節税方法がないかチェックされることをおすすめします。 

 

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                完

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確定申告用ICカードリーダーの選び方

次の2点の確認が必要です。

1.マイナンバーカード認証に対応した製品であること

対応製品リストは、「公的個人認証サービス」のポータルサイトで確認できます 

2.パソコン等にも対応したICカードリーダーであること

①対応するOSの種類に注意

・2019年に、e-Taxが、macOSにも対応しましたが、Windowsモデルが圧倒的なので注意が必要です。 

②「接触型」と「非接触型」の2種類があることに注意 

➂USB接続とBluetooth接続の2種類の接続方式がある 

・また、USB接続は、「Type-A」と「Type-C」があります。   

 

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